統一王者の井上尚弥が理解する一敗の重みとは 「恐怖はつきまとうものだと思う」

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)

 モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。

  ◇  ◇

 東京ドームのメインイベントで防衛戦を行った全勝の統一王者、といえば、これまではマイク・タイソン(米国)だった。それまで37戦全勝(33KO)と圧倒的な強さを誇ったWBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級王者の鉄人だったが、1990年2月11日の東京ドームでジェームズ・ダグラス(米国)にKOされ、初黒星を喫した。

 井上尚弥は3月6日の記者会見でそのことについて質問され「毎度そんな予想を立てられながら試合をしているので、会場は関係なく、いつも通りの試合に臨みます」と受け流した。なお、タイソンも東京ドーム初戦の88年3月21日、トニー・タッブス戦では2回TKO勝ちしている。

 今回のあおり番組では「負ければ無敗の価値が一瞬にして崩れ落ちますからね。試合が決まってからずっと、そこの恐怖はつきまとうものだと思う」と胸中を明かした。

 その恐怖を毎試合乗り越えて、井上は10年間にわたって頂点に立ち続けてきた。のみならず、1月29日のWOWOW番組収録では「来年再来年、もっと強い姿をお見せしたい」と、飽くなき向上心を見せていた。一つの敗戦の重みは、井上自身がよく理解しているのだろう。(デイリースポーツ・ボクシング担当・藤澤浩之)

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