世紀の大誤審!加藤小芝居?危険球退場
「日本シリーズ第5戦、日本ハム2-10巨人」(1日、札幌ド)
“誤審”に騒然となった。四回無死一塁で日本ハム・多田野数人投手(32)が、巨人・加藤健捕手(31)に投球。リプレー映像を見る限り、頭部死球ではないように見えたが、柳田昌夫球審の判定は危険球。日本ハム・栗山英樹監督(51)が猛抗議したが、判定は変わらず。この打席で苦痛に顔をゆがめて倒れ込んだ加藤は、後の打席で大ブーイングを浴びた。
札幌ドームが不穏な雰囲気に包まれた。いたるところから大ブーイングが巻き起こった。
四回無死一塁。2番手・多田野がバントの構えをした加藤の頭部付近に139キロストレートを投じた。よけようとした加藤がのけぞってそのまま後方に倒れ込むと、心配した原監督が不安げな表情でベンチを飛び出した。
中継映像では、投球が体に当たったようには見えなかったが、柳田球審の判定は死球。しかも危険球とみなして退場を宣告した。
栗山監督はたまらずベンチを飛び出し、珍しく血相を変えて猛然と抗議したが、判定は覆らなかった。
疑惑の場面について指揮官は「バントにいっていたのでストライク、空振りでしょ」と主張したという。一方の柳田球審は「栗山監督から『死球ではない』と話があったが、ヘルメットに当たったと判断したから危険球退場とした。一瞬のことなので、そのときはそう判断した」と毅然とした態度で説明した。
日本ハムの選手からは不満の声が上がった。鶴岡は「ヘルメットに当たった音じゃなかった。ヘルメットならカツンという音がする。バットの音がした。何て言っていいのか分からない」と複雑な表情を浮かべた。続けて「柳田さんは最初、ファウルと言ったが原監督が出てきてから判定が変わった。それ(判定)に関してはコメントのしようがない」と話した。危険球退場となった多田野は「だます方もだます方。だまされる方もだまされる方」と審判の判定と、加藤への不満を言い残して球場を後にした。
結局、1死一、二塁とピンチは拡大して再開。3番手の森内は負の流れを止められず失点すると、五回には大ブーイングが起こった加藤の打席で、2点二塁打を許してしまう。ファンにとっては、やるせない流れとなって、痛い星を落とした。
2勝3敗で王手をかけられた。移動日を1日挟んで3日から再び東京ドームに乗り込む。何とも後味の悪い敗戦となったが、試合後の栗山監督は「審判がそう見えたんなら仕方ない」と大人の対応をする一方で「絶対にあきらめない。みんなに喜んでもらえるように頑張りたい」と前を向いた。栗山ファイターズが底力を見せるときがきた。