ミスター&松井氏最強師弟コンビ魅せた

 「W国民栄誉賞表彰式&松井秀喜氏引退セレモニー」(5日、東京ド)

 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(77)と巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(38)の国民栄誉賞表彰式、松井氏の引退セレモニーが5日、東京ドームで広島戦の試合前に行われた。始球式ではミスター対ゴジラの夢の対決も実現。最強の師弟コンビがファンを魅了し、ファンに大きな感動を与えた。

 最強の師弟コンビがまばゆいばかりに輝いた。

 打席には背番号「3」のユニホームを着た長嶋氏。マウンドには背番号「55」で、上下のユニホームを着た松井氏。ゴジラの投球はインハイの“暴投”だったが、ミスターは左手一本で力強くスイング。空振りだったが、夢の師弟対決に球場内は盛大な歓声と拍手に包まれた。

 「あの時は気持ちが高ぶりましたね。あんなボールが顔の方で。スイングをしてね、やりましたけどね。やっぱり打ちたかったですね、はい。いい球だったらたぶん、打っていた」。長嶋氏は、まるで“説教”をするようにまくしたてた。

 これに対し、松井氏は「すいません」と苦笑い。「実はもう1球投げたかったんですが。僕も監督が打つという殺気を感じていまして。常にあそこのインハイを(打つ)練習させられてました。きょうは同じとこに投げました」。こんなやり取りに、2人の間柄がうかがえる。

 呼吸もばっちり合っていた。引退セレモニー、国民栄誉賞表彰式では2人とも同じ紺のスーツ、ストライプのシャツ、水玉のネクタイといういでたち。松井氏が提案し、おしゃれで有名な長嶋氏がこの日のために選んだという。記念品の贈呈の際は、弟子が師匠にそっと手を差し伸べた。2人の絆がかいま見えるシーンだった。

 ミスターは2004年3月に脳梗塞で倒れて以来、懸命なリハビリを続けてきた。そしてこの日、倒れて以来、初めて球場でファンに向かってスピーチした。「(国民栄誉賞を)松井君と一緒にもらったとあって非常にうれしく、ありがたく御礼申し上げます。よろしくお願いします」。張りのある声で、感謝の思いを伝えた。

 11年ぶりに巨人のユニホームを着て東京ドームに帰ってきた松井氏も同じだ。巨人時代から4番に必要な心と技術の指導を受けた長嶋氏はまさに人生の師匠だ。「そのご恩は生涯、忘れることはありません」とあふれ出るような思いを語った。

 ファンを魅了し大きな感動を与えた師弟コンビ。2人にとってもかけがえのない1日になった。

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