ノリ400号&サヨナラ!次は長嶋さん
「DeNA3-2中日」(30日、横浜)
こだわりのフルスイング。追い求めた本塁打。DeNA・中村のバットから生み出された放物線が、400回目のアーチを描いた。二回、山本昌からの先制ソロで、史上18人目となる400号本塁打を達成。2000安打を放った5月5日から56日。またも快挙を成し遂げた。
「ホームランにこだわってこの世界でやってきて、400本打てた。この場に立たせてくれた方々に感謝したい。1本でも多く打って、次は長嶋さんの記録(444本)にいきたい」
快挙は1つで終わらない。同点の九回、2死一、三塁から今度は通算16本目のサヨナラ打を中前に放った。王貞治氏の15本を抜く歴代単独3位に「ホント?抜いた?ホームランは王さんを抜けないけど」と喜んだ。
山本昌からのメモリアル打は悲願でもあった。2000安打時も達成を狙ったが果たせなかった。普段は親交が深いが、グラウンドでは通算6の0という天敵。「ストライクゾーンに来たら、強いスイングを心掛けよう」。開き直って、2球目の直球を仕留めた。
「2000本打って、400本打った人は少ない。自信になる」と胸を張る。その打撃技術への信奉者は多い。ブランコの打撃練習中は背後のさまざまな角度からフォームをチェックする。「教えてくれって言われたんですよ」。現役最強打者も、そのアドバイスに心酔している。
中村自身もここ3戦無安打。調子を落としかけていた。「ビデオを見て、気付いたことがあった。試したいと思って」。志願の早出で、バットを振った。結果はフルスイングでの一発が証明した。「迷っていた部分があったけど、吹っ切れて、これからいける」。7月に40歳。そのバットは衰えない。