ライアン小川、セ10勝1番乗り
「ヤクルト8‐3広島」(13日、神宮)
お立ち台で、ライアンことヤクルトのドラフト2位・小川(創価大)は、額ににじむ汗すら心地よく受け止めた。八回2死まで投げて3失点で、リーグ10勝一番乗り。セ・リーグ新人投手の10勝一番乗りは、99年の巨人・上原浩治(現レッドソックス)以来14年ぶり。ルーキーの前半戦での2桁勝利到達は、球団では59年の北川芳男以来、54年ぶりの快挙となった、
「目標は高くと思っていましたが、ここまでは予想していませんでした」。初回に1点先制を許したが、その後は修正能力の高さを発揮した。「体が左に傾いている。打者から見やすいフォームになっていた」。打線の援護もあり、三回以降は立て直した。
新人ながら、すでにエース級の活躍で投手陣の軸となっている。今年のオープン戦の頃を振り返り、小川監督は「七~八回に、1イニングを思い切って行ってくれればいいと思っていた」と話した。だが、持ち前の度胸とスタミナ、投球術でローテ入りし、ついに2桁勝利を手にした。ある球団のスコアラーは「変化球の種類が豊富で、その1つ1つの精度が高く、すべて使える」と舌を巻く。
自己管理も徹底している。登板日3日前から完全に禁酒。酷暑の中でもベスト体重の79~80キロをキープするように、炭水化物を多めに取るなどしている。
後半戦へ「気持ちを切り替えて1試合1試合やっていくだけ」。まだまだ白星を積み重ねる。