帝京5回戦で散る…修徳に逆転負け
「高校野球・東東京大会5回戦、帝京2‐4修徳」(19日、神宮)
東東京では5回戦で第1シードの帝京が2‐4で修徳に敗れた。プロ注目の石川亮捕手(3年)は「4番・捕手」でスタメン出場も、4打数1安打1四球に終わった。北北海道では決勝が行われ、帯広大谷が4‐3で旭川南に逆転勝ちし、全国のトップを切って代表に決まった。帯広大谷は春夏を通じて初の甲子園大会出場。昨夏まで3季連続甲子園大会準優勝の八戸学院光星(青森)は準々決勝で敗れた。20日は宮崎で決勝が行われる。
2点を追う九回2死一塁。4番・石川は投ゴロに倒れ、一塁ベース上で天を仰いだ。春の東京大会王者・帝京が、ノーシードの修徳に敗れる波乱。ベンチに戻ると、涙をこらえながら、泣き崩れるチームメートの背中をさすった。自らの感情は押し殺し、ねぎらいの言葉をかけ続けた。
優勝候補筆頭が5回戦で散った。石川は「(九回)なんとかつなぎたかったんですけど…。あまりにも早かったので、終わった気がしないです。自分でも分からないけど、涙は出ないです」。受け入れがたい敗戦の事実。直後は実感が湧かなかった。
試合巧者が守備のほころびから、終盤に失点を許した。前田三夫監督は「硬さもあった。緊張したのかな。いい展開に持っていけなかったのが敗因」と振り返った。同点の八回は先頭打者の一ゴロ失策を機にピンチを広げた。そして1死二塁から遊佐和輝投手(3年)に左中間適時二塁打を許す。「流れを止めようと思ったんですけど」。石川はこの回、本塁上で仲間にゲキを飛ばしたが、熱い思いも届かず、勝ち越された。
1年生から正捕手を務め、高校通算22本塁打をマークしたプロ注目捕手は今後の進路について、「3年間で学んだことをこれから生かしていきたい。(プロの)可能性があるなら挑戦していきたい」と言い切った。この悔しさを糧に、さらに上を目指していく。