済美・安楽、藤浪超えた最速154キロ

 「高校野球・愛媛大会準々決勝、済美7‐0今治工」(23日、坊っちゃん)

 4大会で決勝が行われ、秋田では秋田商が延長十五回、4‐3で角館にサヨナラ勝ちし、2年連続17度目の代表となった。弘前学院聖愛(青森)は春夏を通じて初の甲子園出場を決めた。鹿児島は樟南、大分は大分商が代表の座をつかんだ。この日は31大会で試合が行われ、センバツ準優勝の済美(愛媛)が7‐0で今治工に七回コールド勝ちし、エース・安楽智大投手(2年)は7回を2安打6奪三振の好投。打っては3安打4打点の大活躍だった。昨夏の甲子園大会8強の天理(奈良)は3回戦で、春夏連続出場を狙った花咲徳栄(埼玉)は5回戦で敗れた。

 スコアボードに灯った数字に、どよめきが起こった。三回、相手9番打者への4球目。ファウルにされたが、手応え十分だった。後ろを振り返った済美・安楽の目に「154」が飛び込む。帝京五との初戦でマークした自己最速を1キロ更新。その瞬間、満足げな笑みが浮かんだ。

 目標にする阪神・藤浪の高校時代の最速記録も超えた。藤浪が153キロを出したのは3年時だったが、安楽はまだ2年生。しかもセットポジションからの1球だった。

 「バットに当てられたのはまだ甘い。でも、しっかり腕は振れました」

 バックネット裏は感嘆のため息だ。この日は阪神、巨人など日米6球団が視察に訪れた。阪神・山本スカウトは「外角低めの直球が素晴らしい。あと1年、もっと速くなる。密着マークです」と絶賛。米大レンジャーズの古河スカウトは評価を口にしなかったが、“第2のダルビッシュ”発掘へ意義深い視察となったに違いない。

 7回2安打無失点。打っては、五回に1死満塁の好機で走者一掃の適時二塁打を放つなど、3打数3安打4打点の大暴れ。まさに“ワンマンショー”でチームを4強に導いた。

 この日の球数は99球。2試合連続のコールド勝ちで体力の消耗は少ない。「練習してきたことに自信がある。しっかり勝ち上がりたい」。あと2勝。怪物右腕の目に、春夏連続の聖地がくっきりと見えてきた。

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