瀬戸内・山岡、強打の広陵から14K

 「高校野球広島大会・準々決勝、瀬戸内3-2広陵」(24日、マツダ)

 準々決勝2試合が行われ、春季広島大会王者の瀬戸内が今春センバツ出場校の広陵を下し、4強入りした。最速147キロでプロ注目の右腕・山岡泰輔投手(3年)が、9回3安打14奪三振2失点(自責1)と好投した。また、新庄が盈進に勝利した。           

 勝利への思いを込めた146球目。最後の打者を遊ゴロに打ち取ると、山岡は満面の笑みで両手を広げた。今春のセンバツ出場校・広陵を下し準決勝進出。本塁前でチームメートと抱き合い、勝利に酔いしれた。

 初回から奪三振ショーだ。1番・坂田を空振り三振に打ち取るなど2奪三振。二回はさらにギアをアップし4番下石を皮切りに3者連続三振に斬った。三回も1死球を与えたが、奪った全てのアウトが三振。「相手は広陵。調子づかせてはいけないと思った。最初から飛ばしていった」。三回を投げ終え、驚異の8奪三振を記録した。

 四回から六回は「三振を取ると野手の足が動かなくなるので」と、打たせて取る投球で三振は1個。七回からは再びギアを切り替え、3回で5三振を奪った。

 直球は自己最速の147キロに及ばなかったが、145キロをマーク。横に鋭く曲がるスライダーを組み合わせ、強打の広陵打線を相手に9回3安打14奪三振2失点(自責1)だ。「今年1番のでき。ストレートの調子が良いときはスライダーも良い」と汗をぬぐった。

 小川監督もエースの快投に脱帽した。「普段はあまり立ち上がりは良くないけど、この試合はいい感じだった。最初から球が走っていたし、言うことはない」と最大級の賛辞を贈った。

 フォームの修正が実を結んだ。昨冬まで踏み出したときに左足が約1足分インステップしていた。「思っていたように球に力が伝わらなかった」。左足を真っすぐに出すために「ブルペンに入ったとき、今までの足の位置にレンガを置いた。最初は怖かった」。恐怖心を克服し、右腕を振った。修正後は「無駄な力が抜けた。力を入れなくても球威が出るようになった」と常時140キロを計測するようになった。

 甲子園まであと2勝。手の届くとこまで来た。「絶対に行きたい」と力を込めた背番号1。夢切符をその手でつかみ取るつもりだ。

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