日本航空の4番・金沢が大暴れ4戦連発
「高校野球・山梨大会準決勝、日本航空9‐7東海大甲府」(26日、小瀬)
高々と描いた2本の放物線が、2年ぶりの決勝への懸け橋となった。日本航空の4番・金沢大樹内野手(3年)が、先制弾&同点弾の2打席連続アーチの大暴れだ。4戦連発と1大会5本塁打は、ともに11年の小林義弘(山梨学院大付)に並ぶ大会タイの快記録。「ビックリしています。全然思ってもみなかった」と、2つのホームランボールを手に照れまくった。
初回は直球を振り抜き、左越えへの2ラン。1点を追う四回は、変化球をうまく左越えに運んだ。鋭い打球を飛ばす右の強打者も、大会前まで高校通算9本塁打。それが「伸びる打球が多くなった」と感じていた。
“ケガの功名”もあった。部員の不祥事で、2月末から3カ月の対外試合禁止。春季県大会は辞退した。練習では連日紅白戦を行うと同時に、打撃陣は徹底的に素振りを繰り返した。「パンチ力はある選手。安定していいスイングができるようになった」と坂本孝憲監督。最高のタイミングで、練習の成果が出た。
大阪出身の虎党で金本ファンだった金沢は、何度も応援に足を運んだ甲子園を目指し、山梨に野球留学した。4点差をはね返す大逆転で、いよいよ王手。決勝では自身の新記録もかかる。「チームの勝利が一番だけど、そうなればいいですね」。夢と偉業を両方実現して、地元の聖地に凱旋する。