「楽天５-２オリックス」（８日、Ｋ宮城）

　マー君に並んだ。楽天先発の則本が７回２失点で１０勝目を挙げ、新人では球団史上２人目となる２桁勝利を達成した。リーグの新人では一番乗り。お立ち台では「２桁を目指してやってきました。８月に達成できてうれしい」と白い歯を見せ、大歓声を浴びた。

　序盤に５得点という援護にも助けられ、要所を締めた。「昨日連勝が（７で）止まって悔しかったけど、切り替えて一生懸命やるだけでした」。六回１死一塁から２本の安打で２失点。「もったいなかったけど、七回をゼロに抑えて次につなげられた」と、１０７球の力投を振り返った。

　滋賀県出身の則本は、ちょうどこの時期、実家近くの多賀大社で行われる「万灯祭」に、幼少の頃から何度も行っていた。「友達とかと屋台で食ったり、お祭りは楽しいですよね」。この日、仙台は「七夕まつり」の最終日。球場にも浴衣のファンが目立った。その中で快勝劇を演出し、スタジアムも“お祭り”ムードに染め上げた。

　星野監督は「２割そこそこしか打ってないちびっ子バッター（駿太）に四球。あれが点を取られる原因だ」と厳しかったが、１０勝到達には「立派だ。これは立派。開幕投手だからね」と褒めた。だが、それも通過点。「田中さんは（新人で）１１勝。次勝って、追いつきたい」と、則本は誓った。目標は田中超え、そして新人王。さらなる高みを見据え、次の登板に臨む。