前橋育英、聖地初星!高橋光が9連続K

 「全国高校野球・1回戦、前橋育英1-0岩国商」(12日、甲子園)

 1回戦2試合と2回戦1試合が行われ、前橋育英が岩国商に競り勝ち、甲子園初勝利を挙げた。前橋育英2年生エースの高橋光成投手が、大会記録にあと1と迫る9者連続奪三振をマーク。全員13奪三振の快投で、5安打完封した。

 またイキのいい2年生投手が聖地に現れた。桐光学園・松井が昨夏マークした大会記録にあと1と迫る9連続K。「知らなかった。10個目を狙っていけばよかったかな」。偉業を逃したとわかっても、前橋育英・高橋光は夏空のようにカラッと笑って悔しがった。

 しゃく熱のマウンドで、188センチ右腕の勢いはどんどん加速した。三回1死二塁からの奪三振ショー。うなりを上げる直球と鋭いスライダーがキレまくった。五回1死では、6番・中村を内角スライダーでのけ反らせて見逃し三振。続く7番・藤岡はこの日最速の145キロ直球をズバッと外角に投げ込みバットを振らせない。六回1死、投ゴロで連続三振がストップ。最後はセーフティーバントだった事実が、快投を物語る。

 ライバルの思いも背負っていた。昨秋、今春と関東大会で浦和学院に連敗。「ずっと浦学を倒そうと練習していた」という一方で、投げ合った同学年のエース小島とは連絡を取り合う仲になった。浦和学院が敗れた10日の仙台育英戦も観戦。11日には小島から「浦学の分まで頼むぞ」と夢を託されていただけに、燃えないわけがなかった。

 虎の子の1点を守り抜いた姿は、2年生ながらまさに大黒柱。圧巻の全国デビューを果たしても、まだまだ満足はできない。「(済美の)安楽に負けないぐらいになって、勝負できるようになれればいい。あっちは知らないと思うけど、自分はちょっとは意識しています」。冗談めかして笑ったが、狙うは世代トップの座。前橋育英と高橋光成の名前を全国にとどろかせてみせる。

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