大阪桐蔭が夏連覇逃す…森友哉プロ濃厚

 「全国高校野球・3回戦、明徳義塾5‐1大阪桐蔭」(17日、甲子園)

 前年優勝の大阪桐蔭は明徳義塾に敗れ、史上7校目の連覇を逃した。阪神などが今秋ドラフト1位候補に挙げる森友哉捕手(3年)は4打数2安打で最後の夏を終えた。進路については明言しなかったが、プロ志望届を提出するとみられる。

 森友の甲子園劇場は、二ゴロで幕を閉じた。昨夏準決勝と今年6月の練習試合で完勝した相手に、最後の大会で敗れた。「負けてしまったが、力は出し切った」と、涙を見せず振り返った。

 積極的に出たプレーが裏目に出た。初回、峯本の先頭ランニング本塁打で先制。1死から右前打で出塁した森友は、続く近田の2球目で二盗を決め、5球目に三盗も試みたが失敗。その後近田が二塁打を放ったが、この回1点に終わった。

 二回の守備では1死二、三塁から三塁へけん制悪送球し、1点を献上。「刺せれば流れがこっちに来ると思ったが、うまくいかなかった」。その後9番・岩見に前進守備の右翼手の頭を越され、2点三塁打を打たれた。それでも「去年以上に達成感がある。全力疾走、粘り強い野球ができた」と胸を張った。

 今春の大阪大会準決勝、試合中の態度を西谷浩一監督(43)に叱られた。チームも自分の成績も思い通りにいかず、空回りした時期だったが、同時に、プレー以外でチームを支える大切さを学んだ。西谷監督は「去年最高の結果を残し、新チームでは主将で苦しんだが、いい経験。いい主将でした」とねぎらった。

 森友は進路について「まだ考えていない」と明言を避けたが、プロ志望が濃厚。阪神、楽天、ソフトバンクが視察し、阪神・畑山スカウトは「次の段階へ大事な時期を、しっかり過ごしてくれれば」と話した。

 連覇を逃したが「高校野球は、今まで生きてきた中で一番輝いていた。青春だった」と森友。派手な一発はなくても、チームを率いる姿勢で日本一の貫禄をみせた。

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