楽天M9!星野監督が初めて優勝を意識
「楽天7‐5ソフトバンク」(17日、K宮城)
頂が見えた。星野楽天がマギーの満塁弾などでソフトバンクに逆転勝ち。2位のロッテが負けたことでマジックは「9」。「前だけを見る」と、これまで優勝について明言を避けてきた星野監督だったが「ここまで来たらとぼけたことを言っても始まらないですからね。意識してますよ」と、初めて優勝を視界に捉えたコメントを残した。
鮮やかな逆転劇だった。五回2死満塁。マギーの打球が左中間スタンドへ入る。「これはもう見事。2死からでも引き締めて行けと、いつも口癖のように言ってる」。直前の藤田の適時打と合わせ、3点差を一気にひっくり返した。
青い目を持つ侍。マギーは積極的に、指揮官とも意見交換をする。それだけにお互いの信頼も厚い。「『ボスは来年どうするんだ?自分はボスのいるところでやりたい』と言うとった」と星野監督。すでに続投要請を受け、シーズン終了後まで返答を避けている指揮官だが、教え子の言葉に表情をほころばせた。
試合前のメンバー確認時、ベンチに引き揚げる際に、三塁側に必ず手を上げる。「いつも見に来てくれる俺と同い年くらいの人がいるんや」。その相手とは仙台市内在住の千石良夫さん(68)。楽天創設時からのファンで、毎試合観戦に訪れている。「最初は勝っても負けてもどっちでも良かった。でも今は優勝をしそう。すごいうれしいです」。勝利にこだわる執念。口を酸っぱくして言ってきたことが、ファンの意識も変えつつある。
マジック一桁の現状に闘将は「計算してますからね」とうなずいた後「どんどん前に進むだけ」と言った。最短で24日に決まる、球団初の優勝。ゴールテープが、はっきりと見えてきた。