ＤｅＮＡの中畑清監督（５９）の来季の続投が３日、正式に決まった。横浜市内で春田真オーナー（４４）から続投要請を受けて受諾した。中畑監督はＣＳ出場を逃した責任から辞意を表明したが、ファンや関係者らの続投を望む声に奮起。１年契約で、３年目に臨む。

　「ファンあってのプロ野球。俺に託してくれるなら、返さなきゃいけない。本当の恩返しは勝つこと。まだやり残したことがある。辞めることが決して責任を取ることじゃない」。受諾理由を説明した中畑監督。責任を取って辞めるのでなく、選択したのは責任を取って残る道だった。

　辞意表明後、一通の手紙が届いた。「高校生くらいの男の子から『責任の取り方って辞めればいいんですか？』って。俺のことを褒めちぎったあとにそういう文章。読みながら涙が出た」。数え切れない慰留の声が、辞任の決意を溶かしていった。

　春田オーナーは「非常によくやってくださっているし、成長を肌で感じる」と評価した。参入当時の“３年でＣＳ”の実現を中畑監督に託す。「チームとして強くなるための必要な補強は当然する」と全面バックアップを約束した。

　中畑監督は「『一緒にチームをつくっていこう』と言った１年目の空気が継続して、勢いがあるのは今。この流れに乗っていけば、ＣＳより優勝を狙えるチームになる。そういう希望、夢を持っていきたい」。勝負の１年を迎える。