山崎、笑顔でスピーチも…胴上げに涙
「中日3‐4DeNA」(5日、ナゴド)
中日の山崎武司内野手(44)が5日、名古屋市のナゴヤドームで引退試合として行われたDeNA戦に「4番・一塁」でフル出場した。第2打席で中前打を放った。試合後のセレモニーでは「山あり谷あり波瀾(はらん)万丈の野球人生、皆さんの応援があったからここまでたどり着いた」と感謝の言葉を述べた。
ライナーが中堅へ抜けた。惜別コールがわく。「いいぞ、いいぞ、山崎」。引退試合に4番一塁でスタメン出場した山崎が第2打席の三回、三浦の131キロスライダーにうまくタイミングを合わせた。一塁へ到達すると、右手を上げて歓声に応えた。
「セレモニーで何を話すか考えてたら、寝てた。普段通りの朝だよ」。いつもと違うのは長男・大貴さん(17)と長女・菜々さん(14)に「しっかり見ておけ」と伝えたぐらい。出迎えた報道陣に「リラックスしてるし、一発狙う。お通夜みたいな顔するなよ」と笑顔でナゴヤドームへ向かった。
到着すると楽天時代のチームメート岩隈(現マリナーズ)や嶋らからねぎらいの花が届いていた。練習終了後には、屋外特設ステージのダンスショーに飛び入り参加してマイクを握った。
フル出場し、5打数1安打。最後の打席は1715個目の三振だった。プロ通算27年で1834安打、403本塁打。
試合後のスピーチでは「まだまだできると思いながら試合に出ました。最後の最後まで使っていただき正直疲れました。今さっき、ユニホームを脱ぐ決心が付きました」と笑いを誘った。「第二の人生の始まりです。プロ野球界に恩返しができるように精進していきたいと思います」と笑顔で締めた。最後にナインから7回の胴上げ。これにはさすがに涙をこらえきれなかった。