銀次決めた「魂しかありませんでした」

 「日本シリーズ・第5戦、巨人2‐4楽天」(31日、東京ド)

 プレッシャーとは無縁の若武者が、力ずくで勝ち越し点を叩き出した。楽天は同点の延長十回、1死一、二塁。銀次のバットが、夢への王手を手繰り寄せた。

 「魂しかありませんでした」。六回から救援した則本が、先頭打者で四球出塁。なおもマウンドに立つことを意味する右腕を二塁に置き、目の前で藤田が死球。この状況に、闘将譲りの熱いスピリットを持つ男が、応えないはずがなかった。

 「絶対、俺が決めてやろうと思っていました」。西村の直球に食らいつくと、打球は中前に弾む。体の底からほとばしる情熱を、バットに乗せた。

 なお2死三塁の好機に主砲が続いた。「則本に最後の回、少しでも楽に投げてもらいたかった」と、ジョーンズが激走を見せ、遊撃へ執念の適時内野安打。頼もしい3、4番でスコアボードに大きな2点を刻んだ。

 悲願へ、あと1勝。「また僕が打って勝ちたいと思います」と銀次。自らを生んだ東北の地で夢を結実させる。

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