中田賢、虎の誠意と熱意に打たれ眠れず
阪神が獲得を目指す中日・中田賢一投手(31)が18日、名古屋市内でデイリースポーツの独占取材に応じ、現在の偽らざる胸中を激白した。17日の初交渉で4年5億円強の条件提示を受けた阪神に対する感謝の思いをあらためて表し、今月いっぱいは悩み抜く方向性を示した。
感激と興奮で寝付けなかった前夜。名古屋市内のホテルで阪神との初交渉に臨んだ中田賢が、ようやく眠りについたのは午前3時。タテジマに袖を通して欲しい。打倒・巨人、日本一に向けて力を貸して欲しい‐。心を揺さぶられた言葉が、何度も脳裏を駆け巡った。
「本当にうれしくて。自分にはもったいないぐらいのお話をしていただいたので。全然、眠れなかったです」。名古屋市内のとあるカフェ。身に余る条件提示を振り返りながら、中田賢の表情が緩んだ。
4年5億円強の大型契約。先発手形に加え、阪神のエースナンバー・背番号18を提示された。交渉に当たった高野球団本部長、中村GM、嶌村GM補佐の口を突く温かい言葉が胸に染みた。
「自分を必要としてくれているというのが、一番伝わってきました。猛プッシュで。気持ちだけじゃなく、提示していただいた条件にも何の不満もないので」。条件、誠意、熱意。すべてが心の針を揺り動かした。
同時に、迷いも生まれた。15日に阪神と同等の条件を提示したソフトバンクの存在だ。「ソフトバンクさんの条件にも不満がないので。どちらにも差がないので。考えすぎて、本当に頭が疲れてます」。この時ばかりは、悩みの深さを物語る思い詰めた表情を見せた。
今後は、獲得の意思を打ち明けられたヤクルトとの交渉を経て、来季の所属球団を決めるファイナルアンサーを導く。
「今月いっぱいは悩み抜くと思います。来月頭に発表できればと考えてます」。テーブルに並んだ条件を見比べ、考える。本当に袖を通したいユニホームはどこなのか。人生の転換期。熟考を重ね、迷いない答えを出す。