楽天・田中将大投手（２５）が、参加予定だった米国ハワイへの優勝旅行（１１～１７日）をキャンセルしたことが８日、わかった。ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦の可能性があるエースに、メディアの注目度も高まるばかり。心休まる時間も計算できないことなどから、不参加を決めた。

　歓喜の優勝を記念してのハワイ旅行に、田中は不参加となった。この日、球団関係者が「ハワイは行かないことになりました。向こうに行っても、全然休める時間がない。週刊誌や、米メディアが殺到することが予想されるし、周りに迷惑がかかる」と明かした。旅行期間中は仙台で過ごす予定だ。

　新ポスティングシステムが大筋で合意したものの、球団は入札額の上限が２０億円というルールに難色を示している。去就について明言していない田中の注目度は日に日に高まっており、ハワイへ行ったとしても、安心して過ごせないと判断したようだ。

　交渉を担当する立花球団社長は、ウインターミーティング出席のため１０日から渡米。９日は田中がＫスタ宮城に来る予定がないため、球団との意思確認は中旬以降にずれ込む可能性が高くなった。

　この日、トレーニングのためＫスタ宮城を訪れた田中は「（立花社長とは）会ってないです」と話した。翌日の入団会見を控え、施設見学に来ていた松井裕ら９人の新人選手とは対面。「おめでとうございます。大変なこともあるかもしれないけど、頑張ってください」とエールを送った。決着が見えないポスティング問題は、優勝に一番貢献した男から、Ｖ旅行すら取り上げる事態となってしまった。