沖縄尚学ライアン山城お見事1‐0完封
「選抜高校野球・1回戦、沖縄尚学1‐0報徳学園」(23日、甲子園)
最後の打者はこの日最速の141キロ直球で、バットに空を切らせた。左足を大きく上げる独特のフォームから、米大リーグの名投手、ノーラン・ライアンをほうふつさせる沖縄尚学・山城は1点を死守。「厳しい試合だったが、緊張感を持って投げられた」。1‐0の接戦を制して、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。
初回、先頭打者に四球を与えるなど1死一、三塁のピンチを招いた。ここから力勝負で後続を打ち取り、リズムに乗った。「あれで落ち着いた」。打者の内外角に投げ分け、二回以降は二塁を踏ませなかった。
昨夏も甲子園を経験し、秋は明治神宮大会初制覇の原動力になった。成長著しい右腕を、08年春に優勝した当時のエース東浜巨(現ソフトバンク)と比較した比嘉公也監督は「制球は東浜の方が上だが、球の力強さは山城」と高評価を与える。
比嘉監督が主戦でけん引した99年、そして東浜の08年。優勝した過去2度の大会では初戦のスコアが1‐0だった。3度目の歓喜へ、吉兆の好スタートを切った。