龍谷大平安が先発全員安打&打点&得点
「選抜高校野球・1回戦、龍谷大平安16-2大島」(25日、甲子園)
1回戦3試合が行われた。第3試合では鹿児島県の離島から初出場となった21世紀枠の大島が大観衆の声援を背に龍谷大平安に食らいついた。中盤以降、龍谷大平安(京都)が固い守備と、先発全員が得点、安打、打点を記録する17安打で圧勝した。
絶対に、負けられない。昨年は早実に初戦敗退。春夏通算70度目の出場数を誇る名門・龍谷大平安として、2大会続けての屈辱は許されない。
相手は初出場で、大応援団を引き連れてやってきた大島。その声援の圧力、甲子園でプレーできる喜びを全身で表現する島の子たちの猛チャージを受け止めたのはやはり、長年の伝統で培った戦い方だった。
キーマンは、中口大地外野手(3年)だった。初回1死一、二塁で大島・小野が左前打。二走・重原はホームを突くが、中口がダッシュよく捕球して本塁へ好返球。大島の先制点を防いだ。
中口は五回に勝ち越し適時打。直後、2点差で迎えた六回2死二塁でも、川畑の左前打で、初回同様、本塁で走者を刺して、反撃を封じ、その後の大勝に結びつけた。
「両翼のポール位置やアンツーカーの傾斜など、ここは独特」という、外野手出身で甲子園を知り尽くす原田英彦監督(53)の教えが、異様な雰囲気だからこそ的確に生きた。
体現した中口は「どちらも(補殺する)自信はありました」と胸を張る。一方で、四回に自身の走塁ミスなどもあり「次は基本に戻って、最初から思い切りやれるはず」。センバツ京都勢通算70勝到達くらいで満足するつもりはない。