Gアンダーソン豪快V3ラン 虎党は悲鳴
「阪神3‐6巨人」(10日、甲子園)
球団初のキューバ出身助っ人がひと振りでケリをつけた。延長十回無死一、二塁。巨人・アンダーソンはカウント2‐0から高宮の投じた外角高めのスライダーを強振した。打球は阪神ファンで埋まった右翼席に着弾し、甲子園は歓声と悲鳴が交錯した。
派手なガッツポーズこそ出なかったものの、一塁ベースコーチの大西コーチと思い切り両手でタッチし、同コーチが痛がるそぶりを見せるほど大興奮。「いいスイングをすることを心がけた結果。結果が出て良かった」とヒーローインタビューで声を弾ませた。
前の打席の“リベンジ”を果たした。八回、1点差に迫りなお1死二塁。高めのボール球にバットは空を切った。「次のチャンスが来たら絶対に打ってやろうと思っていた」。研ぎ澄まされた集中力がここ一番で発揮された。
打率はリーグ2位、満塁弾も2本打っているが、常に「信頼してくれる監督。支えてくれるコーチのおかげ」と浮ついた態度はまったく見せない。4月26日には第79代の4番にも指名されても「1番でも9番でも仕事は変わらない」。不動心がいい結果につながっている。
原監督は「(カウント)2‐0から見事なバッティングです」とうなった。今月中には新外国人のセペダも加入する。外国人枠を巡る競争も激しさを増すが、なくてはならない存在になった。ファンの間で「クロマティの再来」とも言われるアンダーソンの勢いはさらに加速していきそうだ。