日本ハム大谷、6連続含む自己最多16K
「楽天1‐2日本ハム」(9日、コボスタ)
クライマックスを迎えても、まだまだ力が残っていた。恐ろしい20歳だ。九回2死。日本ハム・大谷が、ボウカーへ投じた113球目の直球は、この試合最速タイの159キロ。「最後は(三振を)狙ってました」。バットが空を切ると、雨が降る中グラブをたたき、雄たけびをあげた。
5月13日の西武戦で完封して以来、プロ2度目の完投、自身6連勝で8勝目を手にした。自己最多、毎回の16奪三振と、記録ずくめの勝利だった。
16奪三振は1958年の土橋正幸、80年の木田勇に並ぶ球団タイ記録。5日に20歳になったばかりの右腕は「19歳最後は勝てなかったので、20歳はいいスタートを切ろうと思ってました。(出身の)東北で勝ててうれしいです」と笑顔を振りまいた。
台風の影響で時折、雨が降った。初回に1点を失い、三回のマウンドに上がる前に試合が17分中断。しかし、これが意外にも幸いした。「気持ちを切り替えることができた」。球速も上がりギアが上がる。五回1死二塁。松井稼への4球目に初めて159キロを計測。空振り三振を奪うと、ここから七回先頭の岡島まで6者連続三振を奪った。
二刀流ながら今季通算111奪三振でリーグ2位。それでも大谷は「三振より無四球がいい」と涼しい顔。心憎いばかりだ。
最後に「野球も私生活もしっかりやっていきたい」と、20歳の誓いを立てた大谷。まだ外出に許可が必要なのは変わらないが、これだけの大人の投球を見せられては栗山監督の気持ちも変わるかもしれない。