大谷162キロ!有言実行剛速球ショー
「オールスター・第2戦、全セ6-12全パ」(19日、甲子園)
剛腕に、甲子園が震えた。マツダオールスターゲーム2014は19日、甲子園球場で第2戦が行われ、全パ先発の日本ハム・大谷翔平投手(20)がプロ野球最速タイとなる162キロをマークした。1番・鳥谷の2球目と5番・阿部の初球に、スコアボードに「162キロ」を刻み、08年の巨人・クルーンに並んだ。全セ先発の藤浪との投げ合いで圧巻の投球を見せ、1回3安打1失点で球宴初勝利を挙げた。
大谷が超速球で聖地のファンの目をくぎ付けにした。同級生・藤浪との先発対決。初球から持っている力を全力で出した。先頭の鳥谷の初球、この時点で自己最速を更新する161キロをマーク。大歓声とどよめきが起こった。そして余韻が残る中の2球目だ。
全力を振り絞って直球を投じた後、ネット裏のスコアボードに視線を向けた。162キロを確認すると、うっすら笑みを浮かべた。球宴では史上最速、そして公式戦を合わせても08年に巨人・クルーンがマークしたプロ野球記録に並んで見せた。
「スピードだけをと、しっかり狙ってました。ブルペンであまりよくなかったけど、なんとか出てよかった」。16日の西武戦先発から中2日もなんのその。今交流戦阪神戦で2度、160キロをマークした二刀流は相性のいいマウンドで期待に応えた。全力投球の23球。そのうち160キロ超えは実に12球を数えた。直球21球の平均は159・76キロと、まさに規格外だ。
最後まで球速で魅了した。対戦したい打者に巨人・阿部を挙げた20歳。交流戦3打数2安打された相手との対戦には、ギアを上げる。「いい打者には自然と力が入るんです」。2死三塁。阿部の内角へ投じた初球。伸び上がる直球は2度目となる162キロを投じた。「応援もすごかったし、すごく楽しかった」。球宴を満喫した。
しなやかなフォームから投じられる160キロ超の速球は父・徹さんと二人三脚でつくりだした。一関リトルシニアに在籍中、監督である父のもとで鍛えられてきた。「きれいな投げ方、ナチュラルなフォームで投げろと小さいころから言ってきました」と徹さんは言う。
12年センバツで藤浪に敗れた。そして2年後。聖地での対決では「スピードでは(藤浪に)負けないようにしたい」と言い、球速で完勝した。まだまだ成長途上の20歳。これからが楽しみだ。