日本ハム・中田 意外?プロ初の満塁弾
「楽天1‐8日本ハム」(25日、コボスタ)
星野監督復帰に沸く楽天一色の球場を主砲の一振りで、沈黙させた。1点を追う六回1死満塁。塩見の初球。日本ハム・中田がシュートを右方向へ打ち返した。打球は大きな放物線を描いて伸びていく。右翼席前列で弾んだ。
後半戦初打点が16号満塁弾。意外にもプロ7年目で飛び出した、自身初のグランドスラムだ。リーグ一番乗りで60打点目を挙げ、静まり返る敵地で「よしっ」と声を上げ、両手をたたいた。「甘い球が来たら積極的にいこうと思ってました。持ち前のパワーでうまく押し込めました」としてやったりだ。
これまでの悔しさを晴らす一撃だった。後半戦。上位追撃を誓っていたが、前カードのオリックス戦はまさかの3連敗。自身も打点がなかった。仙台入りした前夜は寝付きが悪く「金縛りにあった。嫌な感じだった」と首をひねった。しかし、本塁打の後、八回にも左翼線二塁打を放つなど、まさに悪夢を振り払う一発となった。
負の流れを変える4番の一撃。星野監督復帰戦に栗山監督は「選手の集中力が高まる。もう3日待ってくれれば」と冗談交じりに話していたが、「主役が仕事して大きいね」と豪快弾を手放しで褒めた。主砲が打てば打線に火が付く。あらためて存在感の大きさを再確認した。