大谷161キロ!出た日本選手最速タイ

 「日本ハム1‐3ソフトバンク」(3日、札幌ド)

 日本ハム・大谷翔平投手(20)が3日、札幌ドームで行われたソフトバンク戦に先発。七回、李大浩へ投じた2球目に日本選手最速タイとなる161キロをマークした。自身の公式戦自己最速となり、2010年の由規(ヤクルト)が記録した球速に並んだ。惜しくも2敗目を喫したが、球速の進化はとどまるところをしらない。

 未知の投球数に達しても自己最速を上回るスタミナが残っていた。七回2死二、三塁。大谷が李大浩へ投じた2球目。これまでの自己最多126球を超える128球目だ。相手打者をにらみ付け、こん身の力を振り絞り腕を振った。超速球に敵の大砲もファウルするのが精いっぱいだった。

 「161キロ」。

 スコアボードに日本選手最速タイとなる数字が記されると、スタンドからどよめきが起こった。

 今夏の球宴で162キロをマークしたが、これまでの公式戦最速は160キロ。球史に名を刻んだが、それでも「質も良くなかったし、もっと質の高いボールを投げられれば良かった」と振り返った。

 スピードを気にする間もなかった。161キロで追い込むと、最後はスライダーで空振り三振。ピンチを脱すると「ヨッシャー」と叫び、両手をたたいた。

 ただ敗戦の事実が、その表情を曇らせた。7回を9安打2失点と粘ったが、打線の援護なく、4月27日以来の2敗目を喫した。「全体的によくなかった。いいボールが少なかった」。二回に無死満塁から金子、今宮の適時打で2失点。球速より敗戦につながった投球を悔しがった。母・加代子さんが観戦する前で勝利できず、自身初の10勝目はまたもお預けとなった。

 勝負には敗れたが、今後が楽しみな20歳だ。夏場になっても衰えぬ体力は、徹底した自己管理にある。前回7月26日の楽天戦から中7日。これまでの中6日から登板間隔はあいたが、無理せず、ブルペンでの投球練習を通常の2回から1回に減らしてこの日に備えた。トレーナー、投手コーチと相談しながらも最後は自分で調整法を決める。高いプロ意識がたどり着かせた、161キロである。

 「今日のような投球にならないように、投げないと」。二刀流は、次回登板での奮起を誓った。どこまで球速を上げるのか。周囲の期待に応えつつ、何より勝利をつかみ取る。

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