京大・田中プロ宣言!ドラフト指名確実
「関西学生野球、関大4‐3京大」(6日、ほっと)
京大のプロ注目右腕・田中英祐投手(4年・白陵)が6日、ほっともっとフィールド神戸での関大戦に登板後、「プロ志望届を出そうと思います」とプロ志望を表明した。実現すれば、史上初の京大出身、旧帝大でも東大以外で初のプロ野球選手となる。試合では、177球の粘投で延長12回を9安打3失点と力投した。
その表情は、晴れ晴れとしていた。「開幕前から決めていました。プロ志望届は準備ができ次第出します。もう少し野球をやりたいです」。田中は、高らかに宣言した。
京大初のプロ野球選手。究極の文武両道とも言える挑戦に「僕は野球エリートではない。野球も勉強も両方頑張ってきた。自分と同じような境遇の人に投げている姿を見てほしい」と、最速149キロ右腕は言葉を強めた。
「プロ」の2文字を現実的に意識した瞬間があった。先月23日、阪神とのプロ・アマ交流戦(鳴尾浜)だ。7回7安打6失点と打ち込まれた一方で、「それまでは揺らいでいました。でも、プロの選手に投げるというイメージができた」。2軍戦でも“大入り状態”の鳴尾浜。「あれだけのお客さんが応援してくれる中で投げられた」と、敗戦の中に投げる喜びを再確認した。
先月30日、立命大との開幕戦は3回4失点でKO。その夜プロへの思いを打ち明けた両親から痛烈な一言をもらった。「地獄を見てこい」。田中は「これが決め手となりました」と笑顔で振り返る。
この日、先発した田中は12回を9安打3失点(自責点2)。177球の熱投で、13奪三振と本来の力を取り戻した。
ドラフト会議へ向けて、宝馨監督(57)は「4月にある球団から指名の話をいただいて、今は12球団からお誘いを受けています」と説明。阪神、巨人、広島、DeNA、楽天、西武などが関心を示しているとみられる。
田中自身は「社会人(野球)は考えてません。プロで野球をやりたい。希望の球団もないですし、対戦したい打者もまだわかりません。まずはこのリーグ戦だと思っています」と話した。京大のエースとしてまずはチームを勝利に導く。その先に待っているのは、日本野球界の最高峰だ。