楽天デーブ新監督 会見を強制終了で紛糾
『デーブ丸』の船出は紛糾会見で始まった。楽天は14日、星野仙一前監督(67)の後任に、大久保博元2軍監督(47)が就任すると発表した。立花陽三球団社長(43)とともに仙台市内の球団事務所で新監督が臨んだ会見は、広報が代表質問だけで打ち切りを宣言する異例の事態となった。
晴れの舞台が『戦場』と化した。冒頭、立花球団社長がCS期間中の発表となったことを謝罪。新指揮官も上気した顔で「常勝軍団を目指す」と決意表明し、続いてテレビ局の代表質問を受けた。すると広報が「以上で終了します」と会見の強制終了を伝えたのだ。
もちろん、歴代監督の就任会見ではテレビ、新聞各社の個別質問にも応じてきた。しかし、この日は「社長に次の予定がある」という理由で代表質問のみ。球団の方針で社長への質問も禁止。球団トップと新監督が握手をすることもなく、社長は会場を去った。
その後、取材陣の強い要請を受ける形で大久保新監督だけはあらためて記者の質問を受けた。契約は1年。組閣やドラフト戦略を含めた補強は白紙。新指揮官は「俺みたいなヤツが(監督を)やったら申し訳ない。勝って納得してもらうしかない」と決意を述べた。
星野前監督の退任発表後、大久保新監督を基本線としながら新体制がまとまらないことは、前監督も危惧していた。発表は来週以降と見られた中での突然の新監督発表。フェニックスリーグ参戦中の宮崎で朝9時に球団幹部から電話連絡を受けた大久保新監督は、宮崎から空路で羽田に飛び、車で大宮まで移動。新幹線で午後3時過ぎに仙台に到着した。球団職員も「急転直下」と慌てたことが球団内部の混乱を物語る。『デーブ体制』は波乱の幕開けになった。