平成国際大・佐野泰雄 突出した鉄腕!
プロ野球ドラフト会議が、23日午後5時から開催される。今年は早大・有原航平投手(22)、済美・安楽智大投手(17)を中心に豊作とされていた1位候補投手が、故障や不調で相次いで評価を落とす異例の様相を呈している。そんな中で人気が高まったのは、夏以降に頑健で期待通りの内容を見せた前橋育英・高橋光成投手(17)や、平成国際大の149キロ左腕・佐野泰雄投手(21)だ。
驚くべき数字がある。4年間で68試合に登板し、関甲新学生野球リーグ記録の30勝。そして24敗。投球回数は、実に457イニングに達した。ドラ1候補では、東京六大学勢の早大・有原や明大・山崎は200回台後半、東都の亜大・山崎も200回弱の投球回数。佐野の突出した鉄腕ぶりがわかる。
高校時代から注目された左腕は、1年春から主戦として投げ続け、成長を続けた。今秋に自己最速を3キロ更新する149キロを計測。内外角への制球も向上し、カーブやカットボールの威力も増した。
177センチ、81キロのがっしりした体は、力強さとしなやかさを兼ね備える。スカウト陣が「馬力がある。球速以上の球威がある」と語る特長、そして、時には3連投すら意気に感じてこなすエースぶりが、評価を押し上げた。
タイ人の母を持ち、2歳で日本に移った。決して強豪ではないチームを、その左腕で引っ張ってきた野球人生。「プロに行って活躍するために、大学に入った。活躍する人は順位が上の人が多い。上位で行きたい」。待ち望んだ評価を受け、夢への一歩を踏み出す。