Deが金子獲り参戦“松坂資金”使える
DeNAが22日、オリックスからFA宣言した金子千尋投手(31)の獲得を目指すことが分かった。米大リーグ・メッツをFAとなった松坂大輔投手(34)の獲得をこの日までに断念。並行してシーズン中から調査を進めてきた金子に一本化した。ポスティングシステムでのメジャー移籍の可能性もある右腕が、国内球団移籍を選択した場合、大争奪戦に一歩も引かない構えで参入する。
通算90勝の沢村賞右腕獲得へ、本腰を入れる。球団幹部は金子に関する質問に対して「もともと補強に関しては、いろんな可能性を考えている。例えば10のプランがあっていくつ実現できるか」と説明。当初から右腕の名が補強プランの中にあったことを認めた。
投手力中心の野球を目指す中畑監督も「1年を通じて戦える投手力は必要。先発、中継ぎ、抑え、しっかり補強してほしい」と投手力の強化を必須としていた。来季、不退転の決意で臨む指揮官に、球団側も可能な限り全面協力する構えだ。
資金面の裏付けもある。3年越しでラブコールを送り続けた松坂はソフトバンク入りが濃厚で、池田純球団社長は「仕方ない。3年間、やることはすべて、やり続けた。行ったところで頑張ってほしい」と完全撤退を示唆。また、リストアップしていた前アスレチックス3Aの中島裕之内野手も回避。松坂と同等の評価をしてきた金子に、全力を注ぐ態勢が整った。
国内FA宣言と同時に、ポスティングによる海外移籍も視野に入れる金子の意向はまだ流動的。国内移籍となれば、複数球団による争奪戦が濃厚だ。DeNA球団幹部は「FAもポスティングも選手の権利。ルール上のものであるなら問題ない」とポスティング制度への理解も示した。
今季は新加入の久保、モスコーソ、配置転換して活躍した山口、2年目の井納ら、先発右腕が奮起した。金子の獲得なら、かつての“弱投”が右腕王国として生まれ変わる。