さらば京大 ロッテ田中グラウンドに礼
ロッテ・ドラフト2位の田中英祐投手(22)=京大=が6日、京大野球部グラウンドでの練習を打ち上げた。7日にロッテ浦和寮に入寮する秀才ルーキーは、4年間の思い出を胸に秘め、プロの世界に飛び込む。
自らを育ててくれたグラウンド。雨に打たれながら、田中は深々と一礼した。「このグラウンドで、4年間頑張ってきたという思いがある」。旅立ちの日を前に、感慨がこみ上げた。
4年前は無名の新入生だった右腕だが、この日は総勢28社、80人の報道陣が取材に駆けつけた。「1年生のときは想像できなかった。夢にはあったけど、本気でプロになれるなんて考えていなかった」。仲間の中でただ1人、プロ野球を就職先に選んだ田中は、そう振り返った。
キャンパスに近い吉田神社では、境内にある約40メートルの坂道でダッシュを繰り返した。「1日20~30本は走りました。1年の始まりは、いつもここからだった」。恒例の必勝祈願も「今まではチームが勝てるようにとかだったけど、ケガなく1年頑張れるようにとお願いしました」と田中。絵馬には「今まで以上に1日1日が勝負になる」との思いで、「日々成長」と書き込んで奉納した。
吉兆もある。2日に神戸市の生田神社に初詣に行き、おみくじで大吉を引き当てた。「願い事 叶う 他人の言動に迷わないこと」-。
7日午前、思い出の京都を離れる。「ブルペン入りとかも焦らないようにと思っています」。田中のサクセスストーリーが始まる。