藤浪が侍救った!あっぱれ巧投2回0封
「侍ジャパン強化試合、日本4-3欧州」(10日、東京ド)
日本代表「侍ジャパン」は10日、東京ドームで欧州代表との強化試合に臨み、藤浪晋太郎投手(20)=阪神=は六回に3番手で登板した。最速156キロの直球主体の六回は2安打されながら3奪三振、七回は変化球主体で三者凡退と、自在に2回を無失点。終盤の逆転劇につなげた投球を「気分は悪くないですね」と振り返った。
自慢の直球で、欧州代表に傾いていた試合の流れを断ち切った。藤浪が2回を2安打無失点。最後の打者を二ゴロに打ち取ると、ホッとした表情で、ナインとハイタッチを交わした。
「あまりいい内容ではなかったですが、何とかゼロに抑えられて良かったです。気分は悪くないですね」
独特の雰囲気の中、マウンドへ上がった。先発の大瀬良、続く牧田がいずれも失点。格下の欧州代表に2点リードを許していた。だが「あまり考えず、自分のピッチングだけをしようと思った」と自分の世界に入り込んだ。初球154キロ直球で2万1267人を沸かせると、3球目にはこの日最速の156キロを計測。2安打と死球で満塁のピンチを招いたがアウトはすべて三振。侍の意地を見せた。
2イニング目は六回と別人だ。「思ったより真っすぐにしっかり付いてくる。150キロを投げても差し込むイメージがなかった」。直球に強い欧州代表を見てスタイルを一変。直球主体から、変化球を多めの投球に切り替え三者凡退。中3日の難しい調整の中で期待に応えた。
昨年11月の日米野球に続く2度目の侍ジャパン入り。代表の雰囲気にもすっかり慣れ、リラックスモードだ。合流した8日は広島・大瀬良と食事へ。この日の試合前は東京ドームのマウンドを入念にチェックした。阪神のチームメート、岩貞の投球フォームを大げさにまねて大瀬良を笑わせるなど笑顔が絶えなかった。
「チームの雰囲気もいいですし、皆さん、明るくてやりやすい。やっぱりタテジマの…いつもタテジマですけど(笑)、侍のユニホームを着ると引き締まりますし、いい雰囲気の中で、投げられたと思います」
前回の日米野球では4回5安打4失点。侍のユニホームを着て、リベンジを果たした。今後も変則調整が続く。次回は中4日で15日・DeNA戦(横浜)に先発予定。「イニングも伸びるのでゲーム慣れを目標にしたいです」。この夜の結果を自信にして、シーズン開幕へ歩んでいく。