「ＤｅＮＡ３－２広島」（２日、横浜）

　歓喜の瞬間は延長十二回に訪れた。２本の安打と犠打でつくった１死一、三塁の好機。ＤｅＮＡ・梶谷の鋭い一打は歓声とともに二遊間を破る、サヨナラ中前打となった。中畑監督は「最高だよ。こういう幕切れが待っていたなら、苦労したかいがあった」と興奮気味にまくしたてた。

　殊勲打の梶谷は「おいしいところだけ与えてもらいました」とニヤリ。「広島相手にデカい。やられっぱなしのイメージがあった」と振り返る。それもそのはず。広島との３連戦、昨季は一度も勝ち越せなかった。３連戦３連勝は０９年７月以来、実に６年ぶりだ。

　攻守に収穫があった。先発・高崎が７回４安打１失点の好投で試合をつくった。打線も足を絡めてマエケンを攻略した。中畑監督は「高崎は闘争心のあるマウンドだった。打線も応えてワンチャンスをものにした。勢いのあるカープにこれだけの試合。２勝分の価値がある」と絶賛した。

　まだ開幕２カードを終えたばかり。とはいえ、阪神と並んで首位に立った。「首位？慣れないポジションはヤバいよ。意識せず、あしたを迎えたい。（３日から対戦する）ヤクルトも元気だからね」。決して浮かれるところがなかった中畑監督には、確かな手応えが宿っている。