「日本ハム３－２オリックス」（１５日、札幌ド）

　勝利の瞬間、硬い表情が一気にほどけた。日本ハムのドラフト１位・有原（早大）が、初登板初勝利。球団の新人初登板初星は早大の先輩でもある斎藤佑以来だ。リーグ新人一番乗りの初星を手に、お立ち台に上がった右腕は、ウイニングボールを握り締めながら「温かい声援のおかげで投げやすかったです。素直にうれしいです」と笑顔を見せた。

　「緊張した」。立ち上がりは足が震えた。初回に先制適時打を許し、二回２死から山崎勝に死球。にらみつけられ、少し動揺もしたが、ベンチに戻ると同郷広島の先輩中田から「このままバンバン行け！」とゲキを飛ばされた。

　三回以降は安定投球。最速１５１キロの直球と多彩な変化球で６回２失点とまとめた。昨秋に右肘を痛めた影響が長引き、開幕２軍スタート。「投げられなくてもどかしい気持ちだった」。出遅れた悔しさを初マウンドでぶつけた。

　４球団競合の末入団した有原が初勝利を飾り、球団は初勝利記念Ｔシャツの発売を決定した。有原フィーバーは加熱するばかりだが、「初回に失点した。これからはもっといい投球をしたい」と、謙虚なドラ１はさらなる活躍を冷静に口にした。