「巨人２－１広島」（３０日、東京ド）

　左翼への飛球に三走の巨人・坂本がタッチアップ。八回まで無得点に抑え込まれた黒田を土壇場で攻略し、今季２度目のサヨナラ勝ち。再び勝率を５割に戻した。崖っぷちからの勝利に、原監督も「やればできる！」と興奮気味に話した。

　大胆さを貫いた。九回無死一塁、２番の立岡にバントのサインはなし。「立岡のタイミングが合っていたし、小細工をせずにいこうと思った」と指揮官。結果的に三振となったが、坂本の中前打で１死一、三塁とすると、阿部の右前適時打で同点。亀井の左犠飛で一気に試合を決めた。

　七回無死二塁でも、立岡に犠打を命じなかった。試合前まで６月は６勝１３敗。重い空気を振り払うため、指揮官はナインに攻撃的な姿勢を示し続けた。そして何とか、最終回に打線がつながった。「最高でーす！」と決めゼリフでお立ち台に上がった阿部は「きょうの勝ちは大きいと思う」と胸を張った。

　８年ぶりの黒田との対戦。阿部は「威力はもっとすごかったけど、制球は変わってない。さすがとは思っちゃいけないけど、甘いところに投げてはくれないね」と脱帽した。だからこそ、勝てたことが大きい。阪神が敗れて１ゲーム差。不調の６月を勝利で終え、巻き返しの７月とする。