「広島１－７ＤｅＮＡ」（８日、三次）

　１つの目標をかなえた。６月８日の支配下登録から、ちょうど一カ月。４試合目の先発となったＤｅＮＡ・砂田が、５回４安打５奪三振無失点の好投。育成出身選手としては最年少の１９歳１１カ月で、プロ初勝利を挙げた。

　「うれしいです。これまで１球に泣いてきた。どんな相手にも１球、１球しっかり投げました」

　大胆に内角を突いて、丁寧に外角に配球した。緩急自在に翻弄（ほんろう）する、１９歳ながら大人の投球を披露した。チームで先発左腕投手の勝利は、１３年９月１９日のソト以来。「１年半ぶりの左の勝利が自分でよかった」と素直に喜んだ。

　昨年１０月、みやざきフェニックスリーグ・阪神戦に先発。ＣＳ前のベストメンバーを相手に、５回を自責点１と好投し、打席では能見、藤浪と対戦した。

　「打席で球を見られて、すごく良かったです。能見さんはコーナーをビシビシ突いてきた。藤浪さんはバーンとくる。いいところを取り入れたいです」。育成時代に見た、ライバル球団の左右エース。支配下登録、そして勝利をつかむまでの１つの指針になった。

　中畑監督は「新たな戦力が１本出てきてくれた」と孝行息子の出現に目を細めた。これで４カードぶり勝ち越しを決めて３位浮上。「まだ、これからが勝負です」と目を輝かせる新星の台頭で、ＤｅＮＡが再び勢いを取り戻した。