藤浪MVP!天井直撃一飛で森斬った
「オールスター第1戦、全セ8-6全パ」(17日、東京ド)
球宴の歴史に、その名を刻んだ。マツダオールスターゲーム2015は17日、東京ドームで第1戦が行われ、全セ2番手の阪神・藤浪晋太郎投手(21)が3回をパーフェクトに抑え、球宴初勝利。球団史上13人目の最優秀選手(MVP)に選ばれ、賞金300万円を獲得した。大阪桐蔭の先輩、後輩との対決にも完勝し、大観衆を沸かせた。
規格外の対決に東京ドームがどよめいた。甲子園春夏連覇バッテリーの真っ向勝負。森友(西武)がフルスイングした打球は重力に逆らうように、真上へ。そのまま天井にぶつかると、一塁ロペスが体勢を崩しながら何とか捕球。天を仰ぐ後輩を横目に、藤浪は目を丸くして天井を指さした。
「東京ドームの天井に当てられたことはなかった。あそこまで高くフライは上がるものではないので、ちょっとびっくりしました。“森さん”を抑えられて良かったです」
当初は2イニングの予定だったが、全セ・原監督の計らいで六回のマウンドに立った。森友の一飛後、4番中村は151キロで遊飛、最後は中田を同じく151キロで左飛に打ち取った。四回には、3番浅村を152キロで一ゴロに打ち取っており、前日の宣言通り、大阪桐蔭勢を完璧に封じた。3回パーフェクトの結果に藤浪も納得の表情だ。
「何とか紙一重でしたけど結果として打ち取れて良かったです。ファンの方に楽しんでもらおうと思っていたので、結果につながって良かったです」
球宴出場は3年連続3度目。お祭りの雰囲気も、慣れたものだ。試合前にはちゃめっ気たっぷりに森友を敬語でいじっていた。
「森さんはまだ(グラウンドに)出てこられていないので、出てこられたら、あいさつにいきたいと思います」
セ・リーグの練習後、予想外に?森友からあいさつにやってきた。左翼付近で約10分間、談笑。その内容は試合後に明かした。
森友「真っすぐ勝負してや」
藤浪「それは分かれへんわ」
森友「それはないわ」
対戦前ははぐらかしていたが、投じた2球はいずれも直球。先輩の威厳を示した。「さすがいいスイングをしていると思いました。しっかり振らないと、あんなフライは上がらない」。あらためて後輩のポテンシャルの高さに脱帽した。
阪神では13年2戦目の新井以来、13人目(17度目)のMVPを獲得。賞金300万円の使い道に、「どうしましょうかね。両親にあげます」と笑った。今年の球宴はファンを魅了する最高の夜になった。