「ヤクルト３－５巨人」（４日、福島）

　千載一遇のチャンスをものにした。坂本の“代役”として出場した巨人・吉川が、２安打１打点の活躍で勝利に貢献。チームを首位浮上に導いた。２２歳は「急だったので、逆にすんなり試合に入れた。粘って、食らいついていこうと思っていた」と、充実の汗をぬぐった。

　出番はいきなり巡ってきた。試合前の練習中、主将の坂本が腰の違和感を訴え欠場が決定。急きょ吉川が「７番遊撃」で出場した。「何とかなるだろう精神でいきました」。開き直り、集中力を高めた。

　三回、先頭で打席に立つと、チーム初安打となる中前打で出塁。その後、２死二塁から立岡の左中間への適時二塁打で先制のホームを踏んだ。１点リードの七回には無死一、三塁から左前適時打。勝負強さも発揮し、代役をしっかり務めた。

　恐れるものはない。オフに中日を戦力外となり、拾われる形で巨人入り。「ジャイアンツに来た時から、どんな形でも貢献したいと思っていた」。高い守備力と走力で１軍に定着。この夜はバットでヒーローになった。

　原監督は「今日は吉川らしさが出たね。守備力、スピードは勇人（坂本）にひけを取らない」と、満足げ。戦力を巧みに駆使し、貴重な白星をつかんだ。