おかわり「うれしい」王さん超え満弾
「オリックス0-9西武」(9日、京セラ)
西武・中村剛也内野手(31)がオリックス18回戦の八回、塚原から今季31号となるプロ野球単独最多の通算16本目の満塁本塁打を放った。15本で並んでいた巨人・王貞治を上回る大記録達成した。
「世界の王」を超える一発は、特大のアーチだった。2点リードの八回2死満塁。中村は、塚原が投じた直球を完璧に捉えた。京セラドームの5階席に運ぶ豪快な31号。通算16本目の満塁本塁打となった。
目の前で森が押し出し四球を選び、良い流れで打席に入った。「狙うっていうか、より自分の打撃をしようと思った」と言う。「ほぼ会心だった」と打った瞬間にスタンド入りを確信し、ゆっくりと走りだした。
巨人・王貞治を上回る、プロ野球単独最多記録。「自分が語れるような方ではない。畏れ多い」と恐縮する。それでも新記録には「抜いてしまいましたね…。うれしいです」と素直に喜んだ。
シーズン4度の満塁弾はリーグタイ記録。満塁で圧倒的な強さを見せる4番について、2軍コーチ時代から指導する田辺監督は「満塁で投手が勝負に出るときの甘い球を逃さない。初球からちゅうちょなく振れるし、対応力も高い」と分析した。15日で32歳。年齢的にも、記録はまだ伸びそうだ。
この日の4打点を加えて102打点となり、4年ぶり4度目の100打点超え。本塁打とともに2部門でリーグトップを独走している。「どうしたら本塁打を打てるかを考えてきた。それが満塁で出たということ」。希代のアーチストは快挙に胸を張った。