「全国高校野球・２回戦、広島新庄-早実」（１３日、甲子園）

　７日の１回戦・霞ケ浦戦（茨城）で初出場初勝利を挙げた広島新庄（広島）は、第８日（１３日予定）第１試合の２回戦でスーパー１年生・清宮幸太郎内野手を擁す早実（西東京）と対戦する。９日は大阪市内で初戦後、初めて練習を行った。今大会ナンバーワンの注目度を誇る相手だが、自分たちの野球を貫き、白星をつかみ取ることを誓った。

　熱望していた早実との一戦が実現した。「大会前から戦ってみたかったチーム。注目されているし楽しみしかない」。佐々木祥人主将（３年）はチームの声を代弁し、心を躍らせた。

　今大会で一番のスポットライトを浴びる選手が清宮だ。西東京大会は打率５割、１０打点と大暴れした。今治西との初戦では１安打１打点。ＰＬ学園の清原や星稜の松井らのスーパースターは１年夏の初戦は無安打だった。球史に名を残す強打者でも結果を出せなかったデビュー戦で、大器の片りんをみせつけた。

　清宮を筆頭に早実は強打者がズラリと並ぶ。どんな相手であろうが、戦い方は不変だ。迫田守昭監督（６９）は「われわれに失うものは何もない。どこまで自分たちの野球が通用するのか。やってきたことの総仕上げと言ってもおかしくない」と言い切った。２年生エースの堀瑞輝投手を中心とした堅守と、機動力と小技を絡めた攻撃で勝ち上がってきた。佐々木主将は「２点以内に抑えて打線が３点を取る野球をしたい」と意気込んだ。

　注目校との一戦は、超満員が予想される。球場の雰囲気も独特になることは間違いない。それでも迫田監督は「逆にありがたい。たくさんの人の前で野球ができるということは、一生で一度あるか、ないか。感謝の気持ちしかない」と歓迎した。多くの人が送る熱視線。その先の主役になるのは、広島新庄ナインだ。