武白志2戦連続弾 九州国際大付8強
「全国高校野球・3回戦、九州国際大付2-0作新学院」(15日、甲子園)
一発を狙った打席。待っていた通りの直球だ。九州国際大付(福岡)のプロ注目スラッガー・山本武白志は両軍無得点の六回2死無走者で、1ボールからの好球を巻き込んだ。
「少し詰まった」と言いながら、ベンチプレス120キロの腕力で押し込んだ打球は楽々、左翼フェンスを越える先制本塁打となった。
13日の大阪偕星学園戦での2打席連発に続く、2戦連続の大会3本目。観戦した父の元ロッテ監督・功児氏(63)も「いいところで出て、良かったね」と笑顔を見せた。
この「いいところ」が、キモだ。「ホームランは球場の雰囲気を変えられる」と山本。さらに1打席目は「落ちる球が頭にあって」、直球を空振り三振。これが福岡大会から通じて今夏の初三振だった。その借りを返し、試合を決めるべく「自分で決めよう」と狙い撃った。
次戦は早実。清宮を「並の1年じゃない」と持ち上げつつ「僕が対戦するのは投手ですから」と受け流し、クールを装う。が、宿舎ではチームメートに前戦の2発のビデオ観戦を何度も“強要”し、一方でバットを肌身離さずそばに置いて誰よりも練習する愛されキャラ。次の一発で早実を倒して、「武白志ビデオ鑑賞会」の開催をまた、狙っているはずだ。