鶴岡東・松崎、前歯飛び投手転向で快投

 「全国高校野球・3回戦、花咲徳栄1-0鶴岡東」(15日、甲子園)

 投手に転向して10カ月の鶴岡東・松崎祥弥が夢のマウンドで快投を見せた。「昨年の秋には想像もできなかった」。思い切り良く腕を振り「(当初から)なぜか投げることができた」スライダーを低めに決めた。八回途中1失点で、親友の福谷に後を託した。

 昨年8月、二塁手としてレギュラー当落線上にいたが、アクシデントが発生する。練習中に打球が顔面に直撃し骨折。前歯が3本吹っ飛び、1カ月練習できなかった。ケガが癒えた後も、打球を反射的によけてしまう。内野手としては致命的な後遺症。ぼう然自失の松崎を救ったのは佐藤俊監督(43)だ。「投手をやらないか」。その言葉で腹を決めた。

 初めは制球に苦しんだ。それでも内野手には戻れない。選択肢はひたすら投げ込むことだけだった。すると初登板の練習試合でいきなり好投。「投手で頑張ろう」と自信が湧いてきた。今夏の山形大会直前に初めてメンバー入り。急成長で甲子園に乗り込んだ。

 エースの福谷とは小学時代から9年間チームメート。「高校に行ったら絶対に甲子園に行くぞ」と誓い合い、2人で大阪から山形にやって来た。最後は聖地をリレーで投げ合い、「最高の思い出ができた」とグラブを置いた。中学からの夢である美容師を目指し、来春、大阪に戻る。

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