関東一オコエ“脱・本塁打”で決勝狙う
「全国高校野球・準決勝、関東第一-東海大相模」(19日、甲子園)
初の4強進出となった関東第一(東東京)は18日、豊中ローズ球場で調整し、オコエ瑠偉外野手(3年)が「絶好調です」と力強く宣言。準々決勝の興南戦では決勝弾を放ったが、横綱・東海大相模との一戦には本塁打を封印して臨む。
両手に残った感触はもう忘れた。劇的な一発の映像も封印した。興南戦で同点の九回に決勝2ランを放ったオコエ。「映像は一回だけ見ました。見過ぎてしまうと次に向けて悪影響を及ぼすので」と表情を引き締める。
もちろん素顔は普通の高校3年生だけに「見たかったのは山々でしたけど…」と苦笑いで明かした。宿舎に帰って部屋に入った際には「ヨッシャー!!」と再び絶叫。そこで気持ちに踏ん切りをつけ、頭を切り替えた。「しっかりと次の試合に集中する。次の相手は良くてヒット1本だと思うので、しっかり貢献できるように」。本塁打は狙わず、勝利に貢献する打撃を目指す。
打撃の状態を問われると「絶好調です!」とキッパリ言った。フリー打撃では低く鋭いライナーを打つことに徹し、米沢貴光監督(40)からは「左肩を開かないように」とアドバイスを受けた。「前もって左が来ると想定して右が来たらガッカリするので。右も左も“どんと来い!”という意識でやっていきます」と明かした。
豊中ローズ球場のスタンドには高校野球ファンも駆けつけ、小さな子供が「オコエがいたよ~!」と叫ぶなど、抜群のキャラクター性から日に日に人気が高まっている。流ちょうなコメントも「最初はカミカミで自分でも何を言ってるか分からなかったですが…。今はチーム全体が(注目に)慣れてきました」と成長した部分だ。
「優勝したらUSJ観光を(指導者に)お願いします!」と飾らない18歳のバットが、東海大相模の2枚看板を打ち砕く。