門馬監督男泣き…原貢さん愛弟子舞った

 「全国高校野球・決勝、東海大相模10-6仙台育英」(20日、甲子園)

 東海大相模の門馬敬治監督(45)は天国の恩師・原貢氏(享年79)以来、45年ぶり2度目の夏優勝に号泣した。監督として春夏合わせ3度の優勝は、智弁和歌山の高嶋仁監督、元常総学院監督の木内幸男氏、元池田監督の故蔦文也氏らに並ぶ記録。仙台育英はエース佐藤世那投手(3年)が10失点完投で力尽き、東北勢悲願の優勝はまたもならなかった。

 “オヤジ”は常にそばにいた。門馬監督は「原貢さんはグラウンドにいた。最後まで一緒に戦った。オヤジさんのパワーで強くなれた」と男泣きした。

 昨年死去し、先日「育成功労賞」が贈られた原貢氏が攻撃力を全面に出す東海大相模を作り上げ、70年夏に全国を制した。45年を経て「魂を受け継いだ」愛弟子が、それ以来2度目の夏優勝。くしくも決勝戦の日付と、「10-6」のスコアも45年前と同じ。「オヤジさんも褒めてくれる」と涙は止まらなかった。

 99年に監督に就任し、00年のセンバツで優勝。だがその後、低迷期に陥る。周囲から聞こえる批判の声。1人でもがき続けた。何とか結果が出始めた時、原氏から言われた。「ようやく人の言葉に耳を傾けるようになったな」。師が認めてくれたのが、何より自信になった。

 神奈川大会前の7月10日、同校に完成した原氏の石碑には「和と動」と刻まれた。一丸、そして積極果敢を受け継ぐことを誓い、石碑に頭を下げた。V弾から本塁に戻った小笠原とベンチ前で抱擁。「ずっと抱きしめてあげたかった」。原貢野球を体現した教え子らが誇らしかった。

 3度の全国制覇は恩師も果たしていない偉業。それでも「オヤジさんは一生、超えることはありません。近づきたい」。これからも高いオヤジの背中を追い続ける。

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