佐藤世那 米国に完封、高校日本代表初
「U-18W杯・1次ラウンドA組、日本3-0米国」(29日、舞洲)
野球のU-18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)第2日は1次ラウンドが行われ、日本は米国に快勝し、連勝スタートを切った。佐藤世那投手(3年)が5安打9奪三振の力投で、高校日本代表として史上初めて米国を完封した。
進化した姿を世界の舞台で披露した。U-18大会に高校日本代表で出場するようになった04年以降では、初の米国完封。歴史的快投で重責を果たした佐藤は「うれしいけど、ホッとしている」と、安ど感をにじませた。
最速144キロを計測した直球と鋭いフォーク。2種類の武器で難敵を圧倒した。四回までの5奪三振は全てフォークで空を切らせた。五回1死満塁のピンチもフォークで「狙った通り」に二ゴロ併殺打。一転、六回の3者連続三振は2つを直球で奪い「米国は落ちる球に目がついていかないと思う。真っすぐもいいと感じたし、自分の持てるいいものは出せた」と胸を張った。
もう一度、壁を越えたかった。夏の甲子園では、準決勝の早実戦で完封。だが、他の5試合はすべて七回以降に失点。決勝も同点の九回に4失点して力尽きた。「後半に弱いので『1点も与えちゃいけない』と集中して投げた」。継投を想定していた西谷浩一監督(45)も、気迫を見せた右腕に「代えるというところがなかった」と絶賛した。
前回大会決勝で敗れた雪辱を果たし、11年ぶりとなる白星で、米国に嫌なイメージを植え付けた。「ファイナルでもやるかもしれない。次に打たれないように考えていきたい」。初の世界一へ、日本にとっても大きい、世那の快投だった。