ハム大谷KO「申し訳ありません…」
「CSファーストS・第1戦、日本ハム3-9ロッテ」(10日、札幌ドーム)
敗戦の瞬間、日本ハム・大谷は表情ひとつ変えず、ロッカーへ引き揚げた。三回途中6安打5失点でCS初黒星。昨年10月5日の調整先発での2回降板を除けば、自己ワーストKOだ。「シーズンでいくら貯金をつくっても、ここでいい投球ができなかったら意味がない。申し訳ない」。15勝5敗。チームに貯金10をもたらした右腕は大一番で力になれず、悔いた。
9月27日を最後に中12日で上がったマウンドで、力を出し切れなかったのも事実だ。変化球が決まらず直球を狙い打たれた。「どのボールをとっても信じ切れずに投げていた」。二回1死満塁。今江に真ん中低めの直球を振り抜かれ左中間を破られた。走者一掃の適時二塁打。三回も3連打を浴びるなど2失点。最速160キロをマークしながら、大一番でまさかの炎上だ。
降板後は逆転勝利を信じてベンチで応援を続けたが、祈りも届かず、王手をかけられた。負ければ15年シーズンが終わる。
ただリベンジの機会は残されている。栗山監督は「球数も投げてないのでいろいろ考える」と、初めて休養日を設けず、第2戦に野手で出場させる方針を示唆すると同時に、1勝1敗にもつれ込んだ場合には、第3戦に登板させる可能性も示した。
大谷も「切り替えて頑張りたい。出られるところでしっかり頑張りたい」。強行日程は覚悟の上。不完全燃焼に終わった投球を打者でリベンジする。