内川サヨナラ!鷹劇的クライマックス
「パCSファイナルS・第1戦、ソフトバンク3-2ロッテ」(14日、ヤフオクドーム)
ソフトバンクが延長十回、サヨナラ勝ちし、対戦成績を2勝(アドバンテージの1勝を含む)とした。1死満塁で、内川聖一外野手(33)が右前打を放ち、試合を決めた。CSファイナルS初戦を勝ったチームの突破率は100%。球団史上初の連続日本一に向け、最高のスタートを切った。
4番が決めた。延長十回1死満塁。追い込まれた内川が、内の低めカットボールを捉えた。打球が右前に弾むと同時に、ベンチからナインが飛び出す。「スパイクが破れた。誰が踏んだか探さないと!」。一塁付近でもみくちゃにされた主将は、今季一番の笑顔をはじけさせた。
歓喜が訪れる直前。1死一、三塁で、3番柳田が敬遠気味の四球で歩かされた。「やっぱりな…」。3ボールになった瞬間、無理やりニヤリと笑みをつくった。「シーズン中(好機で)打てなかった記憶もよみがえった。そういうものに打ち勝っていかないといけないと思って、無理に笑った」。打線の「柱」として、重圧を自らの力で打ち破った。
レギュラーシーズンは3、5、6番が30発以上をマークする中、自身は11本塁打。好機での力みが悪循環を生み、昨季5個だった併殺打は24個を数えた。打率・284で、7年連続で続けていた打率3割も途切れた。それでも主将としてチームを優勝に導いた。そしてCS初戦で、これ以上ない一打を放った。
工藤監督は「プレッシャーのかかる場面で勇気を持っていってくれた」と、満面の笑みでたたえた。内川が球団史上初の連続日本一まで、4番としての仕事を遂行する。