原監督「完全燃焼」10年長期政権に幕
巨人・原辰徳監督(57)が今季限りで勇退することが19日、正式決定した。東京・大手町の読売新聞東京本社で球団の渡辺恒雄最高顧問(89)、白石興二郎オーナー(69)と会談し、球団側が辞任の申し入れを受理。引き続き行われた勇退会見で完全燃焼した思いを語り、06年からの“第2次政権”に幕を降ろした。
勝負師の顔は消えていた。チームカラーでもあるオレンジ色のネクタイ姿で、勇退会見に臨んだ原監督。通算12年間の監督生活を振り返り「完全燃焼できた。引退時は37歳で、まだまだ青春真っただ中。夢に続きがあると心底、思った。現状、『まだ私には夢の続きがある』と、素直に出てきません」と、穏やかな笑みを浮かべた。
01年オフ、憧れの存在である長嶋茂雄元監督(現終身名誉監督)から、指揮官のバトンを受け取った。「長嶋監督の後を受けたあのプレッシャーに比べるなら、超えるものはなかった」。注目度の高さ、勝って当然の重圧。これらに打ち勝ち、名将としての階段を駆け上がった。
今季は2位に終わったが、監督として日本一3度、リーグ優勝7度の輝かしい成績を残した。今後は他球団からのオファー、2020年の東京五輪で野球が競技復活した場合は監督候補に挙がる可能性もある。これらの話題に「1年、少しフラットに過ごし、また何か出てくるのかな」と、今は全くの白紙であることを強調した。
渡辺最高顧問との会談では、次期監督に関する話も出たという。「私が長嶋さんにしていただいたように、いい形で引き継ぐことが次期監督の成功、巨人の隆盛につながると思う」。あふれるジャイアンツ愛を後継者に託し、名将がユニホームを脱いだ。