中田“翔タイム”…先制弾&サヨナラ打
「プレミア12・1次ラウンド、日本6-5メキシコ」(11日、天母棒球場)
B組の日本はメキシコに6-5でサヨナラ勝ちし、2連勝を飾った。1点リードの九回に抑えの沢村拓一投手(27)が崩れて同点に追い付かれたが、その裏、中田翔内野手(26)=日本ハム=がサヨナラ適時打を放ち、試合を決めた。
“翔タイム”のハイライトは最後に訪れた。九回1死二塁。目の前で筒香が敬遠された。「正直、敬遠で一気に気合が入った」。フルカウントからの6球目。中田は右中間へライナーを運び、接戦に終止符を打った。
「何とかしないといけないと思った」。スタンドでは台湾人、日本人のファンがスタンディングオベーション。主役は口元を緩めると、両手を広げて仲間の祝福も受け止めた。
序盤から試合を支配した。二回1死一塁は左翼席へ自身大会1号となる逆転2ラン。「シーズンでも1打席目を大切にしていたので、その後は楽に(打席へ)入れた」。打席を重ねる度に盛り上がるスタンドにも乗せられて、快音を連発した。
三回1死満塁は中犠飛。五回2死一、二塁も中前適時打を放った。3安打5打点。「一打席一打席に集中できていると思う」。2安打を放った8日の韓国戦に続く結果に、手応えが残った。
気分転換して異国での初戦に臨んだ。10日の練習後。台湾の観光名所・九ふんへ向かった。映画「千と千尋の神隠し」の舞台となったとうわさされた地で、リフレッシュしたことも試合に集中できた一因だった。
勝ちはしたものの、内容は喜べるものではなかった。開幕前に出場辞退報道が流れたメキシコに思わぬ苦戦を強いられた。何が起こるか分からないのが国際大会。「まだまだこれから。気持ちを緩めることなくやっていきたい」。喜ぶのはまだ先だ。中田は再び表情を引き締め、次の戦いへ目を向けた。