山田、拙守取り返しサヨナラ呼ぶ二塁打
「プレミア12・1次ラウンド、日本6-5メキシコ」(11日、天母棒球場)
気迫の一打が、サヨナラ勝利への活路を開いた。「九回にミスをしてしまったので、取り返すつもりで打席に入った」。同点の九回。先頭の山田哲人内野手(ヤクルト)が右越え二塁打で好機をつくり、中田のサヨナラ打の呼び水となった。
自らのミスで目前の勝利が消えかけた。直前の九回表の守備で、先頭・マシアスが打ち上げた二塁後方への飛球に追いつきながら、まさかの落球(記録は安打)。そこから2死三塁となり、代打のT・トーレスの中前打で同点とされた。
打撃でも、それまでは3打数無安打(1四球)。それだけに、巡ってきた挽回の機会に「気持ちだけでした」と集中力を極限まで研ぎ澄ましていた。
今季は「トリプルスリー」を達成。史上初の本塁打王と盗塁王の同時受賞も果たし、日本を代表する打者となった。そして日の丸を背負い、訪れた試練をもはね返した山田。「風が吹いてくれていたので、いいところに運んでくれた」。チームの危機は、打線のキーマンを目覚めさせた。