プレミア12 場当たり的発想多かった
多くの野球ファンの注目を集めた「プレミア12」。日本代表の平均視聴率はTBS系で中継された19日の準決勝・韓国戦で25・2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録し、代表への高い関心を示すものとなった。
ただ、単純に喜んでもいられない。台湾ラウンドでは日本、台湾、韓国以外の試合で観客の姿は見られず、大会の収支は赤字となる見通しで、興行的に成功したとは言い難い。
19年の第2回大会は20年東京五輪の予選を兼ねることになったが、永続的な大会へ育てていくための大会意義という点では、場当たり的な発想が多いのも気になるところだ。
大会のレベルを上げるためにもメジャー40人枠の選手参加を求めたいが、現状では出場するメリットがない。例えばプレミア12の賞金総額は380万ドルで、WBC(第3回大会1500万ドル)の約4分の1。大会自体の魅力もWBCに遠く及ばないのが実情と、課題は少なくない。
常設された侍ジャパンが形骸化しないためにも、WBCとプレミア12という国際大会の存在は不可欠。この盛り上がりを無駄にしないために、今後は大会のブランド力を高める努力も求められる。